安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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「おまえ今宵は日本的だな」

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〈 Sat, 23 Feb 2002 〉

昨夜はオイとメイの誕生日をお祝いして、家族15人が集まってホテルで会食。家内は3人兄弟でその弟と妹=わたしのオイとメイは双子である。それぞれ結婚している子供たちがいて、94才の母は孫やひ孫も多いが、おめかしして集まる会なので小さいひ孫さんは連れてこない。ロンドンにいるうちの子二人や、オスロにいるメイの息子は帰らなかった。子供が家を離れてしまうとなかなか全員が集まる機会がない。
メインはムース=大鹿のミディアムステーキ、これに3種類の茸を一緒にのせてソースをたっぷり・・おいしかった。トナカイのような独特のクサミがなく、誰でもおいしく食べられる。食事がおわったら、借りてある上階のサロンに移って、コーヒとケーキ、コニャックをいただきながら、近しい親戚だけで話がはずむ。
食事の時からワインが入っているので、わたしはたいへんご機嫌がよろしい。「マサオキ、おまえ今宵は日本的だな」といわれた。人間は安全な場所で愉快になると、ついだらしなくなってしまう。だから楽しいんです。が、だらしなくなるそのなり方に国民性がにじみ出てしまうんですな。おそらく私は日本人らしい身振り、しぐさ、笑いかた、表情になっていたもよう。
非公式なパーティーでは、盛り上がり方にそれぞれの国民性がクッキリあらわれる。だから日本に長年住んで日本語が話せる外国人でも、日本人の地がもろに出る酒の席にはなじめないとよくいいます。逆も真なり。筆者も当地に移住して10年ぐらいはパーティーが嫌いで、かれらの冗談もよくわからないし、仕事以外の話題、この国の歴史や文化や政治、芸能や有名人、地方のことが絡んでくる話題についていけない。いきおい孤立しちゃいます。アメリカ人やイギリス人は英語で押し通す。ドイツ人はすぐノルウェー語を覚えるからチキショーかつての枢軸なのにうらやましい。
海外に進出している日本企業の駐在員や所長が出るパーティーというのは、それなりの肩書きがあって、現地社員から一目おかれた扱いを受ける。どちらかといえば主催者側、オレたちのパーティーに現地の雇われ社員を招待するかたちだ。あるいは大事な客として接待を受けるので、個人として現地で就職して生活する邦人と、おのずから立場が異なる。
さて、私の同級生はもうほとんどが退職している。足腰が弱り介護されている己の姿がみえるようになってきた。老人は退化し、精神的に赤ちゃんに戻るそうですね。そうすると自分も当地の老人ホームで古い唄をくちずさむようになるんやろか。「♪♪どんぐりころころころこんで〜とか、「♪♪行きはよいよい帰りはこわい〜」なんてスゴミがあるわ。
「マサオキ、おまえ今宵は日本的だな」、胸にしみる言辞でありました。
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Pnorama Box制作委員会

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