安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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オリンピックから窺い知る心

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〈 Sun, 10 Feb 2002 〉

冬季オリンピックの開会式を見て、そのたびに前回より一段と華やかな演出に目をうばわれる。照明と花火の技術が文句なしにすばらしい。Pyroman といえば放火魔のこと、花火の技術をパイロテクニックというのは始めて知った。
オリンピックに政治はつきものだが、IOC会長が開会式に9月の事件にふれ、政治的発言を会場に持ち込んだのははじめてか。しかるに、アメリカ大統領として初めて開会宣言を行ったブッシュさんはヤケにあっさりしていた:
On behalf of a proud, determined, and grateful nation, I declare open the Games of Salt Lake City, celebrating the Olympic Winter Games. おわり。
天皇陛下の長野五輪開会の詞とかわらない、伝統に即した宣言でした。
南アフリカにスキーゲレンデがあるとか、タイのスキー選手、プエルトリコのボブスレーなど、南国の参加がふえました。77か国、そのうち黒人選手が雪と氷の上で金メダルをとる時代がくるかもしれません。たのしみですね。
さて、モーグルの里谷多英選手フリースタイルスキーでが銅メダルを獲得しました。
トップに躍り出たときはイケル!金メダルを獲った、もうはやよろこび。アメリカの選手に抜かれ2位だったのが、土壇場でノルウェーのカーリ・トローKari Traa にトップをさらわれ、とうとう3位におちました。こういう場面、筆者の心情は複雑ではないがそう単純でもありません。ちょうど半生を当地でくらし、生活の糧を得ている身であっても自然に日本選手を応援します。特に愛国者だからではありませんが母国の選手に先優権をおいている。なかんづく、ノルウェー選手が活躍するのもうれしい。このカーリ・トローは我が家から車で一時間ちょっとのところに住む地元の子、当然慶事である。
外国人住民で、スポーツ競技を応援する感情にはさまざまあるようです。ノルウェーが負けると大喜びする邦人もいましたな。きっと不愉快な経験が多かったのでしょう。ヴェトナムやイスラムの人たちはアメリカが負けるのをはっきり期待、ロシアが勝っても中国が勝っても気に入らないムズカシイ心理。一般的にヨーロッパでは、アメリカ人観衆が自国選手にみびいきで熱狂するマナーをこころよく思っていないようです。自分たちのサッカー狂いをさておいて・・
日本に住む外国人居住者はどのような順位で応援しているか、あるいは内心どの国が負けるのを願っているか、興味しんしん。想像ですが日本に住む:
アメリカ人は勿論アメリカ応援、社交上日本も応援しているふり。日本に住む:
韓国人は自国のメダルを過大評価、なぜ駄目だと支離滅裂。日本が負けることでバランスを取る。
中東アラブ人は冬季五輪が好きになれない。イラン、アフガニスタンの雪はスポーツのために降るのではないと怒る。
中国人は、批評とあらさがしに余念がない。大会がつまづかないかとワクワクしている。ときどきフト、北京オリンピックの晴れ舞台、世界の注目をうける栄光にしばしうっとりする。
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次は最近A氏から教わった辛辣ユーモアサイトからとりました。ブッシュ大統領が開会式に演説した記事というかたち。版権があるので抄訳です。ブッシュさんの言い回しを使って、吹きだすことうけあい。英文をご覧になるかたは:
http://www.SatireWire.com/news/feb02/olympics.shtml
ブッシュ 外国選手にアメリカの後ろに順位をつけ、
アメリカの後ろ盾となって結束するようよびかける

われわれが負けることで自由の敵を悦ばせてはならない。
ユタ、パークシティ(SatireWire.com)発。自由の敵には、アメリカが金メダルを勝ちとるほど大きな打撃になる。
この数か月、かけがえのないアメリカの自由が試練を受けたが、結束して乗り越えてきた。しかしきょう、アメリカは新しい脅威に直面している。われわれ同胞すべてに かかわる脅威とは、君たちだ!
なぜなら、アメリカの理想は高貴であり、正義の上に成り立っている。わがスキージャンパーはデクの坊だ。アメリカがぶざまな成績で弱さを見せては、敵を狂喜させてしまうではないか。オリンピック競技においては、アメリカの後ろに順位をつけるやりかたで、アメリカの後ろに結束する勇気を示してもらいたい。
諸君は首を振っているようだが、このキャンペーンには犠牲がともなう。諸君は全てをこの大会に賭けて練習してきた。金メダルを夢み、母国の栄光のために一生を捧げた。価値ある夢である。しかし今はつまらないナショナリズムのときではない!
間違ってはいけない。この仕事はサッと片付くほど容易ではない。1日や1週間でおわる仕事ではない。2週間かかる。日程をみると正しくは17日らしい。
諸君に勧める。君のセカンドベストを尽くすよう。銀を狙いたまえ。
「ご清聴ありがとう。閉会式が終わりましたらGod bless you」
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また「悪の枢軸」につておなじ辛辣ユーモアさいとから かんべえさん が紹介されています。http://member.nifty.ne.jp/kanbei/comments.htm#new から2月8日をごらんください。

Pnorama Box制作委員会

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