安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


----------------------------------
ゲリラに囲まれたジャーナリスト K.Sさん

----------------------------------
〈 Wed, 06 Feb 2002 〉

年賀メールをきのう2月5日にもらった。はてな?差出人はノルウェー国営ラジオ・テレビの女性北京特派員K.Sさん。守備範囲は東南アジアと極東、世界の3分の1を受け持っている。
文面はからっぽ、写真が添付されている。彼女が森のなかででゲリラにとりかこまれている写真だ。紅一点である。ゲリラは手に手に機関銃や無線電話をもち、迷彩服を着た者、Tシャツやサファリジャケツ、ブーツからサンダル履きまで、服装はまちまちである。なぜか殆どのゲリラはくわえタバコか指にタバコを挟んでいて、けっこう全員が得意げである。K.Sさんもそうだ。
写真に文字がレイアウトしてあった。
HAPPY NEW YEAR!!! Freedom Fighters and I, Ache, Indonesia, Nov.2 2001
「王様と私」をもじって「自由の戦士と私」なんて、ナンダ楽しんでる。まわりのむくつけき男たちはインドネシアの「自由アチェ運動」独立派ゲリラである。昨年12月取材した折りに撮影したようだ。タバコで買収して一緒に写真におさまったのか、考えられる。アチェ特別州はイスラム自治権を与えられているが、独立をかかげて停戦合意がまもられていない危険地域である。
返事を出した。「はは〜、中国のおしょう月だな。森や洞穴のお友達を相手に発展の年を」!
すぐさまレスポンス、「そうよ、中国の新年・馬の年で、来週は花火爆竹がバンバンお祭りだ」
K.Sさんは以前、アブサヤフに拘束され一週間、国民をハラハラさせてしまった。あとで当然、放送局のトップから無茶しおって!と叱責をうけたのだが。このときは10人ほどの西側記者が、既に長期間人質にとられた観光客に面会するため、アブサヤフと無事帰還を交渉済みで赴いたように言われていた。だから大丈夫とは思っていたが、フィリピンのジャングルで所持品全てを没収され一週間も人質になってまでレポートする。記者魂、根性? とにかく危険な事件現場に立つのが彼女の楽しみ、生きがいなのだ。
まだ記憶に新しい事件、コソヴォ紛争のとき、ベオグラードの中国大使館がアメリカ空軍の誤爆によって館員に死者が出た。それで北京のアメリカ大使館が怒った市民で騒然となったことがある。特派員が小突かれ、ののしられカメラを叩き潰されているところをCNN放送を見たので、おもわずK.Sさんに「危ないぞ、からだを大事にしてくれ」とメールをうった。するとたちまちピーンとメール到着音。「いまアメリカ大使館に行くところ、なんてエキサイティング!ジャーナリスト冥利につきる」。しばらくしてノルウェー国営TVチャンネルに、大使館前から叫ぶように実況中継する彼女の姿があった。

---------
ではまた

Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたい辛口・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEまで戻る