安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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施政方針と昭和天皇御歌

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〈 Tue, 05 Feb 2002 〉

ふりつもるみ雪にたへていろかへぬ松そをゝしき人もかくあれ
終戦後、半年も経たない時に、皇居の松を眺めて詠まれたものと思われます。雪の降る、厳しい冬の寒さに耐えて、青々と成長する 松のように、人々も雄々しくありたいとの願いを込められたものと思います。 明治維新の激動の中から近代国家を築き上げ、第二次大戦の国土の荒廃に屈することなく祖国再建に立ち上がった、先人たちの献身的努力に思いを致しながら、我々も現下の難局に雄々しく立ち向かっていこうではありませんか。明日の発展のために。子どもたちの 未来のために。
小泉総理大臣施政方針演説より
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/02/04sisei.html
をゝしき は漢字が似あわない。人も は自分以外の人々、国民すなわち日本の国を意味する。吾れもではない 人も を詠みしうたと理解しています。
小泉さんが、ご自身に思いを寄せて 人々も雄々しく との解釈はプライベートに己を引き締め、改革を断行する決意新たなエネルギーを吸収するうえで、まことに有意義なことであります。しかしながら自分のツライ現況に合わせた解釈を、国民に対する施政方針の最後に語られては、違和感がぬぐえません。
とはいえ、各省庁の盛り沢山な政策を、時間内に折り込んだマトメ総覧にすぎない退屈な演説原稿のなかで、この和歌を引用した部分だけ魅力ある一点でした。
「改革本番の年」、「経済再生の基盤を築く年」。この正念場を乗り切って、平成15年度から、改革の成果を国民に示し、平成16年度には、不良債権問題を正常化。しかるのち民間需要主導の着実な経済成長の実現を目指す。
3年がかりの長期計画。首相就任以来のシナリオはかわっていない。
再度ヘンなことしなかったら、倒れるまでは応援しますネ、小泉政権。

Pnorama Box制作委員会

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