安達正興no高見の見物 なんじゃこら!(コラム)

Masaoki Adachi/安達正興


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川口順子新外相に期待する

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〈 Sat, 02 Feb 2002 〉

昨年7月、ボンCOP6(気候変動枠組条約第6回締約国会議とも地球温暖化防止ボン会議)が合意にこぎつけたとき、次のような一文をあるところに書いた。
《喜こんで食べまくっています。日本が随分ゴネドクしたようで不完全とはいえ、これでブッシュ米に平手打ちしたわけだ。ブッシュさんが目的は共有してるだなんて、カダフィでもフセインでも言えるセリフですよ。でもね真面目な話、せいせいしたなんて低次元の話じゃなくて、アメリカの国民が自分たちが世界最大のCO2汚染国であること、それを自分の国が無視して排出削減に応じないこと、そういうことを世界との関わりでアメリカンが考え始めることを、期待しているのです。》
平手打ちとは、京都議定書不支持にまわったブッシュ・アメリカ抜きで合意達成できたから。
日本がゴネドクとは、日本のCO2排出量をEUより多く、途上国より少ない率で押し切ったから。
この交渉とつづくマラケシュCOP7で粘り強い交渉を進めたのが川口順子環境相だった。国際会議でこの人ほどタフなネゴシエーターぶりを発揮した大臣はめずらしい。派閥の振り当てで大臣職についた人にはない緻密な実務家である。今年中に国会で京都議定書の批准を目指すので、適任の大木浩新環境相と共に、最後まで京都議定書のゴールを見届けていただきたい。
外務省のなかには官僚出身の新外相を迎えて、これで安心と思っている事務方がいるかもしれない。が、外相の頭越しに外交政策を決定されて黙っている川口さんではない。田中さんがやり残した外務省の機密費や公費流用などチェック体制の不備、腐敗した体質にもニラミを利かせるのではないか。任を得て一回り大きく能力を発揮する人物ではなかろうか。
[政治はキャラクター]である。政治を大きく変えるには、頭とことばだけでは一歩も進まない。実行し世の流れを変え、ウネリを起こすためには魅力的なキャラクターの吸引力が必須。田中真紀子氏には、指導力、知識、諸々の疑問はあるが、それを補ってあまりある人々を惹く人間味があった。彼女にあっては弱さ愚かさも魅力なのだ。支持率、世評からそのようにみえる。
川口順子氏には残念ながらそのような後光がない。国会議員ではないから選挙民向けのオアイソすら出来ない・・いまのところは。とはいえ、知力、学力、忍耐力そろった国際的なタフ・ネゴシエーターである。川口外相が活発な日本外交を展開し、実績をあげるなら、カリスマが自然に身についてくるものです。年末2002年の我が国「年の人」にえらばれたらどうする。ありえるかも。
期待を込めて仕事はじめにあたり、一献さしあげます。

Pnorama Box制作委員会

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