我がニッポン日本・高見の見物（コラム）
Masaoki Adachi/安達正興
----------------------------------
国会混乱−更迭人事−政界渾沌
----------------------------------
〈 Wed, 30 Jan 2002 〉
| 小泉純一郎首相は２９日夜、アフガニスタン復興支援国際会議へのＮＧＯ（非政府組織）排除問題をめぐる国会の混乱を受け、対立している田中真紀子外相と野上義二外務事務次官の両者を更迭することを決めた。ＮＧＯ排除への「圧力」がとりざたされた鈴木宗男衆院議院運営委員長も辞任の意向を固めた。（朝日新聞より） |
| (1) いったん排除されたNGOは、結局アフガニスタン支援国会議に参加できたのであり、以後のゴタゴタをネタに野党が予算審議拒否するのは許せない妨害だ。国会とその審議に期待する国民を冒涜するもの。それなのに野党の審議サボタージュを非難せずになだめようとするのは間違い。［小泉首相 マイナス80点］ |
| (2) しかるに審議が遅れるからと三首そろえてバッサリ切り捨て、ひさしを借りて母屋を取られる（もうちょいマシな喩えがなかったか？）ような愚行をおかした小泉首相の責任を問いたい。実際はこれを理由に反りの合わない真紀子落としに踏み切った、と考えるほうが自然なのだが。［今後小泉首相の資質が問われるだろう。］ |
| (3) 政治家は特にウソ偽りが多いこと、今に始まったことではない。我が身に照らせて考えてみたまえ。また圧力だって、ロビー運動は圧力の一種でしょう。議員の活動は地元の陳情を受けて省庁へ持ってゆく。そのとき現況を説明するのか、お願いするのか、圧力かけるのか、棄てぜりふを残すのか、いろいろな形がある。日常茶飯事であって鈴木議運委員長が次官や局長に電話で文句つけていけない理由なんぞありません。［鈴木宗男衆院議院運営委員長 無罪］ |
| (4) 真紀子さんはホントだと言ってるんだから、ホントと何度もおなじこと聞いては失礼。発端となったNGOピースウィンズ・ジャパンの大西健丞（けんすけ）代表の言でもあきらかなように真紀子さんに虚為はない。［田中外務大臣 清廉潔白］ |
| (5) 特定NGO排除というポカをやったのは省内の準備委員会でその委員長である局長なり次官が責任取ればよい。もし圧力があったところで唯々諾々と聞き従うフヌケなら即刻辞めてもらいたい。ま、重家俊範中東アフリカ局は次官の意向に従わざるをえない立場ではるが。［野上義二外務事務次官 有罪］ |
| (3)(4)(5)を合計すれば、この一件に関してだけウソかマコトか寄ってたかってホジクル意味がない とわたしは思う。真紀子さんと宗雄殿が私的にやり合ってくれれば楽しめる・・が、政治の本舞台・国会が総ぐるみでイジメ抜く蛮行、真相究明に名を借りた下劣な蛮行は忍びがたい。 |
| 以上のようにこの件については得るものがなにもない。コラム「言った、言わない、ヤメなさい」でも書いたように本質はくだらない。そのくだらないスリキズに小泉首相は大手術をほどこした。三者重ね切りの結果、政界がスッキリするどころか、小泉政権の背骨である高い支持率を失って混乱から渾沌の暗やみへ進むだろう。 |
|
それとね、韓国や台湾の乱闘国会を当地でみると、みっともない、あぁイヤだとおもうわけ。日本の国会や証人喚問で不毛な言い争いは見たくない。
|
