我がニッポン日本・高見の見物（コラム）
Masaoki Adachi/安達正興
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◆カブールの新商売
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〈Tue, 15 Jan 2002 〉
| カブールでは市場、といっても戦後の大阪にあったヤミ市みたいなもんだが、ずらりと雑多な店がならんで活気がある。テレビ映像で見た話なんですが、コンテナ、例の運搬用鉄製コンテナのこと。救援物資などが運び込まれたあと放置したままのがいっぱいある。それを再利用するアフガンの智恵、あるいは生存のための苦肉の策がスゴイ。不況不況とボヤク日本人もチットは見習ってハングリー精神出したらいかがですかな。 |
まず、コンテナはそのままでテントより頑強な仮の住居になる。が、そんな生易しい利用方ではなくて、これを解体するわけ。あれには色々な厚さや型板、底部には角柱状のがっしりしたフレームがある。全部手作業でハンマーとクサビで熔接部分をハズしていく。イメージとしては唱歌・村の鍛冶屋をおもいだしてくだされ。
バラした素材をもとに鉄板加工所よろしく、ドア、窓枠、トラックの車体、家具までつくってしまう。ドアなんか派手な絵付けを施して見事なできばえだ。デザインのスタイルがあるんでしょうが、自由な創造性がいきいきしていて、モノづくりの喜びが如実に伝わってくる。 |
| もうだいぶ前からわれわれモノを拵えなくなったな。あなた最近何か作った？模型飛行機とか犬小屋とか…。セコハンショップが姿を消して、何でも買い棄て、廃物利用を考えない。モのをぞんざいに扱う人間が多いわけだ。でも家が手狭だから保存できないしね。どんどん買い続けないとますます景気がジリヒンになるし、仕方ないのかな。 |
| 日本産業のみならず先進国は、モノづくりを人件費が安い中国に発注する。世界的不況、どこでも経済成長率がとにかくプラスでありたいと願っているのに中国だけ二桁にとどく成長率を維持。今年も中国のひとり勝ちだろう。なにせ世界の工場だからな。 |
モノづくりをせず、ビジネスと営業管理ばかりが大きくなった国なんて、殺伐な感じがしませんか。そうおもうといくら立派なビルが林立しても、ふと寂しく、殺風景に映る。
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