Masaoki Adachi/安達正興
◆ 不審船のこと 〈12.25.01 〉
日・中・英語で警告したというあの日本語ね、のんびりと丁寧なアナウンスでした。陛下のお言葉みたい。近鉄の車掌さんの方が命令的だ。 ガードマンらしく「おいこら、そこの怪しい船、止まれ!止まらんと撃つぞ」。で、止らなかったら2度威嚇射撃して、それでも止らなかったら船体射撃するまでのこと。国際ルールでも確かそんな手順のはずだ。海上自衛隊法および自衛隊法改正で認知済み、当事者がボーとしないでよ。発見してからまる1日、9時間もチャチな工作船を数隻で追っかけ回して、ガソリンの無駄だ。 |
自衛隊や政府の説明、批評家がおっしゃるに「相手が銃撃、ロケット砲撃してきたからやむを得ない措置」ですか…ということは、攻撃してこなかったら逃がしてあげるってことなのね。相手は絶対停船しないんだから投げ縄では捕捉できません。何を怖がってるのかこの物言い、ウーン理解に苦しむ。弁証法が破綻してます。 海上保安庁も自衛隊もコーストガードが相手にするのはマフィアであり、海賊であり、スパイ/工作船だ。密漁船向けの速度と対抗装備じゃダメ!わかってるのに動きが鈍くて、グズばっかりだ。 それもこれも軍事とみれば牽制する識者の論調に世論が負けてしまっているせいだ。原因はやはり国と国民を守る自衛隊員や海上警備員への認知と感謝、サポートが希薄な市民意識につきる。指揮官も隊員も気がねなく存分に働ける環境がくるのはいつの日か。 |
真相究明をいそげという声がある。みなさん何が知りたいの?時間とお金の無駄はやめましょう、不況なんだから。拾い上げた漂流物と2遺体の解剖で調べを完了、客観的な調査結果をビジネスライクに公表すればそれでよし。下司の勘繰りなど好き者に勝手にやらせておけばよい。私も好き者のうちですが、政府がこれしきのことで全力投球する必要ない。やるべき重要事項は他にいくらでもある。したがってサルベージして調査するほどの価値はない。船内に残っているかもしれない遺体を収容したい国が出てくれば、人道的にいささかのお手伝いしてあげるのにやぶさかではないが、当該国は「謀略だ、デッチアゲだ」と騒ぐばかりでしょう。名乗りでない以上、そのまま海底に寝かせておくべきだ。 |
事件に関連して、沈着な政府の対応をとか、北朝鮮に対話を促すという、なにがなんでも平和的解決を望む意見があるんだなあ。領海侵犯したのはだれ?悪いのはアチラでしょ!話し合いのテーブルにつくかどうか、すべては金昇日しだい。過去の経緯からあきらかだ。 いまやアメリカはテロ対抗戦略が主流になり、それにくらべれば、従来脅威としてきた国家が脅威と映らなくなった。北朝鮮が恫喝と援助確保のうしろだてにする時代遅れの核やミサイル開発に妥協する理由がなくなった。交渉ごとは棚上げされまま。9.11のあと、いわばどこからもハナツマミにあっている国が北朝鮮だ。 |
この事件の日本発報道でいちばん奇妙に感じたことは、スゴイ大事件としての捉えかた。何か世界に影響するとでもいうの?日本海と東シナ海ではよくあることではないのか。スカーミッシュ、小競り合いの域をでない。当地ではソ連のミニ潜水艦がバルト海やフイヨルド探訪によくお越しになったもんです。いまでもクルスクみたいな物体や、アメリカ、イギリスの物体がバレンツ海で深く静かに潜航中。追っかけごっこは珍しくない。事故で死ぬことはあるが、自爆なんて愚行はない。 今回は不審船全員が溺死したのと機関砲の応酬、沈没があったので、タマ撃ちを避けてきた日本では異常事態と体感されたのだろう。でもねぇ、これを小さな戦争とか大事件とよぶなら、世界は戦争と事件で満員御礼ですよ。 |
○日本人拉致事件について 日本人拉致事件にたいする調査お願いほど拙い日本外交はない。あの国に民間組織はないのであって赤十字も国家機関と同じだ。はなで括った回答であきらかなように常識がカケラもない。キム・ジョンイルは粗雑でわがまま、自分が一番のスポイルドチャイルドにすぎない。ジュ・チェを言わなくなったのはよいが、代わりの思想や哲学が皆無。ふんぞり返った男の内実は 食い気と思いつき だけではなかろうか。だいたい会談で相手の話しを最後まで聞かずに、がさがさと手を振り回すのが気に障る。いつか後ろへヒックリカエルよ。個人の性格まで立ち入ってクサしたのはほかでもない、相手がいかに交渉不可能であるか補足したまで。 東京商銀に手入れが入ったのを機に、次のような措置が考えられる。北朝鮮へ送金している人物の口座凍結に踏み切りたい。そうはいっても、法的根拠で一騒動、朝鮮総聯は黙っていない。不穏な事態になりかねないので[合法的取引以外の不審な北朝鮮への送金に、マッタをかけて調査する]まずこのあたり無難な外為法違反から緒につけよう。食料支援は貰っていただかなくてけっこう。気位ばっかし高くて恩返しなんて殊勝な概念はアチラの党幹部にない。国連や韓国からの支援をうまく配分すれば餓死者が出ないと判断したうえで、食料支援は行わないでおこう。今日の世界を理解する柔らかい頭を持ち合わせない輩には、ここまでしないと拉致事件の重力が通じない。(了) |
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